スタートアップの経理アウトソーシング|いつから外部化すべき?

スタートアップの経理体制は、創業期(1〜5名)は社長兼務、成長期(5〜30名)で経理代行へ外部化、拡大期(30名以上)で経理部門の社内構築が定石です。従業員30名以下なら外部化のメリットがデメリットを大きく上回ります。本記事ではフェーズ別の最適体制、外部化のベストタイミング、コスト比較を解説します。

スタートアップの経理アウトソーシング|いつから外部化すべき?のイメージ
記事テーマのイメージ
この記事の主な内容知りたい箇所から読めます。
  1. 01

    スタートアップが経理体制で迷う3つのフェーズ

  2. 02

    経理を外部化すべきタイミング3つのサイン

  3. 03

    社内採用 vs 経理代行のコスト比較

現在の提供範囲について

本記事には経営管理全般の参考情報が含まれます。現在「社長の盾」で承っているのは、経理・給与計算・労務の代行です。

スタートアップが経理体制で迷う3つのフェーズ

フェーズ 従業員数 典型的な経理体制
創業期1〜5名社長 or 副業の知人 が兼務
成長期5〜30名経理代行 or 派遣 で対応
拡大期30名以上経理部門の社内構築

多くのスタートアップが迷うのは、創業期から成長期への移行タイミングと、成長期から拡大期への移行タイミングです。

経理を外部化すべきタイミング3つのサイン

サイン1:社長が経理に月10時間以上使っている

社長の時給を仮に1万円とすると、月10時間の経理作業で月10万円のコスト相当。経理代行に外注したほうが安く、しかも質が上がります

サイン2:請求・入金の漏れが発生し始めた

請求書の発行漏れ、入金確認の遅れ、未収金の管理ミスなどが発生したら、すぐに外部化を検討すべきサインです。キャッシュフローが直接ダメージを受けます。

サイン3:従業員が5名を超えた

給与計算、社会保険、年末調整など、人事労務系の業務が複雑化します。従業員5名超えは外部化を検討する1つの目安です。

社内採用 vs 経理代行のコスト比較

項目 社内採用(正社員) 経理代行
月額コスト 40〜60万円(社保込み) 10〜30万円
年間総コスト 500〜750万円 120〜360万円
立ち上げ期間 採用3〜6ヶ月+教育3ヶ月 2〜4週間
退職リスク あり(属人化リスク) なし
業務量の変動対応 難しい 柔軟に調整可能

従業員30名未満のスタートアップでは、経理代行のほうがコストパフォーマンスが圧倒的に良いケースが多いです。

経理を外部化する5つのメリット

メリット1:固定費を変動費化できる

正社員の人件費は固定費ですが、経理代行は事業フェーズに応じて柔軟に調整可能な変動費です。創業期や事業縮小期には大きなメリットです。

メリット2:採用と教育のコスト・時間を節約

経理担当者1人を採用するのに3〜6ヶ月、教育に3ヶ月。合計半年以上かかります。代行なら2〜4週間で稼働開始できます。

メリット3:専門性を借りられる

インボイス制度、電子帳簿保存法、改正会社法など、最新の法対応を専門家が自動で対応してくれます。社内担当者が学習する手間が省けます。

メリット4:属人化を防げる

社内経理担当者1名体制は、その人が辞めた瞬間に業務が止まるリスクがあります。代行会社はチームで対応するため、属人化リスクがありません。

メリット5:社長の時間を本業に集中できる

創業期の社長にとって、最も貴重なのは時間です。経理に取られていた時間を本業に振り向けることができます。

外部化を始める前にやるべき3つの準備

準備1:クラウド会計ソフトの導入

freee、マネーフォワード、弥生など、クラウド会計ソフトを導入しておきましょう。代行会社とのデータ連携がスムーズになります。

準備2:業務の棚卸し

現在の経理業務を以下の観点で整理します:

  • 毎月発生する業務(記帳、請求書発行、振込、入金確認等)
  • 四半期・年次の業務(決算、税務申告、年末調整等)
  • 業務量(仕訳数、請求書枚数、従業員数等)

準備3:何を残し何を外出しするかの線引き

すべてを外出しする必要はありません。社内に残す業務(経営判断に関わる部分)と、外出しする業務(オペレーション部分)を明確に分けましょう。

フェーズ別の最適な経理体制

創業期(1〜5名):代行+税理士の組み合わせ

経理代行(月額10万円程度)と税理士(月額3〜5万円程度)を併用。合計月額13〜15万円で十分な体制が組めます。

成長期(5〜30名):代行+顧問税理士+経理アシスタント

経理代行(月額15〜25万円)に加え、社内に経理アシスタント1名(パートでも可)を配置。経営者が経理に直接関わる時間を最小化します。

拡大期(30名以上):社内経理+外部税務

従業員30名を超えるあたりから、社内経理担当者1〜2名を採用するフェーズです。税務は引き続き顧問税理士に依頼します。

まとめ:経理外部化は「投資」と捉える

経理アウトソーシングは単なるコスト削減策ではなく、社長の時間という最も貴重なリソースを取り戻す投資です。

従業員30名以下のスタートアップであれば、外部化のメリットがデメリットを大きく上回るケースがほとんどです。事業フェーズに合わせて、無理なく経理体制を構築していきましょう。

よくある質問(FAQ)

スタートアップは何名規模から経理を外部化すべきですか?

従業員5名を超えるあたりから外部化を検討するタイミングです。社長が経理に月10時間以上使っているなら、規模に関わらず外部化を検討すべきサインです。

経理を外部化すると社内にノウハウが残らないのでは?

確かに社内に経理ノウハウは蓄積されにくくなります。ただし、社長の時間を本業に集中させるメリットのほうが大きいケースが多いです。拡大期に社内採用に切り替える選択肢も残せます。

創業期の経理代行費用はいくらくらいが現実的ですか?

月額10万円程度の一括代行プランが、創業期スタートアップには現実的です。記帳・請求・支払い・給与計算・士業連携までを月額10万円でカバーできるプランが各社から出ています。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・労務・法務等に関する専門的助言を行うものではありません。内容は執筆・更新時点の法令・制度に基づいており、その後の改正等により最新の情報と異なる場合があります。個別の事案については、税理士・社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。株式会社ZEETAのバックオフィス代行「社長の盾」が承る代行業務は、経理・給与計算・労務です。税務申告、法律判断、融資・補助金申請、契約書管理、採用代行、資料作成などはサービス対象外です。専門的な判断や手続きについては、税理士・社会保険労務士・弁護士等へご相談ください。

自社だけで実行する時間が足りない方へ

経理・給与計算・労務の実務を必要な範囲から引き受けます。
相談内容を整理する
コラム一覧へ戻る

次の一歩

読んで終わらず、
実行へ進める。

経理・給与計算・労務のうち、どこから任せるべきかを現在の体制から整理します。