事業計画書の作成代行とは

事業計画書の作成代行とは、専門知識を持った会社が経営者にヒアリングしながら、融資・補助金・出資交渉等に通る品質の事業計画書を作成するサービスです。

主な用途は以下の通りです:

  • 日本政策金融公庫・銀行融資の申請
  • 補助金・助成金の申請
  • VC・エンジェル投資家への出資交渉
  • 事業承継・M&A時のデューデリ対応
  • 取引先・取引銀行への説明資料

代行の担い手は、税理士・中小企業診断士などの士業、補助金申請に特化したコンサルティング会社、経営顧問サービスの一部として対応する会社など様々です。担い手によって得意分野と料金体系が大きく異なるため、まずは費用相場の全体像を把握してから比較検討するのがおすすめです。

事業計画書の作成代行:費用相場

用途 費用相場 納期
融資申請用(公庫・銀行)10〜30万円2〜4週間
補助金申請用15〜50万円1〜2ヶ月
VC・出資交渉用30〜80万円1〜2ヶ月
事業承継・M&A用50〜150万円2〜3ヶ月
月額顧問でセット対応月10万円〜都度対応

用途によって費用が変わるのは、求められる書類の分量と専門性、そして審査する相手が違うからです。融資申請用は公庫・銀行の担当者が読む前提で返済能力の説明が中心になるのに対し、補助金申請用は公募要領に沿って加点項目を網羅する必要があり、審査項目への対応量がそのまま工数に跳ね返ります。VC向けは市場分析や資本政策まで含むことが多く、さらに高額になります。

また、補助金申請用は「着手金+成果報酬」の2段階料金が一般的です。着手金に加えて、採択時に補助金額の10〜20%程度を成果報酬として支払う契約が多く、表の金額はこの合計の目安です。契約前に、不採択だった場合の費用がいくらになるかを必ず確認しましょう。

用途別に求められる内容の違い

融資申請用の事業計画書

金融機関が最も重視するのは「返済可能性」です。売上計画の根拠、原価率の妥当性、月次の収支計画、自己資金との比率などを詳しく書く必要があります。

典型的な構成:

  1. 創業者・経営者のプロフィール
  2. 事業内容と市場性
  3. 取扱商品・サービスの内容
  4. 競合分析と差別化要因
  5. 売上計画(3年分)
  6. 収支計画(月次・年次)
  7. 資金調達計画と使途
  8. 返済計画

創業融資の制度概要は日本政策金融公庫の創業支援ページで公開されています。制度の全体像を把握したうえで専門家に相談すると、話がスムーズに進みます。公庫融資の流れや必要書類について詳しくは、創業融資の申請サポート|日本政策金融公庫の活用法もあわせてご覧ください。

補助金申請用の事業計画書

補助金は「政策的意義」と「事業の革新性」が重視されます。経済産業省・中小企業庁の政策方針に沿った内容で、加点項目を満たす書き方が必要です。

代表的なものに、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金などがあります。公募中の補助金は、中小企業庁が運営する支援ポータルミラサポplusで検索できます。サポート会社の費用相場や選び方は、補助金・助成金の申請サポート会社の選び方で詳しく解説しています。

VC・出資交渉用の事業計画書

投資家が見るのは「成長性」と「Exit可能性」です。市場の大きさ、シェア獲得シナリオ、3〜5年後の事業規模、リターンの試算などを詳細に作る必要があります。事業計画書単体ではなく、ピッチデックや資本政策表とセットで求められることが多いのも特徴です。

事業計画書の作成代行を活用する5つのメリット

メリット1:通る品質の書類が作れる

日本政策金融公庫は創業融資の採択率を公表していませんが、一般に、自己流で作成した計画書よりも、審査の観点(返済可能性・数字の根拠・自己資金とのバランス)を押さえた計画書のほうが通りやすいと言われています。書類の完成度は、融資面談での質疑応答のしやすさにも直結します。

メリット2:時間を大幅に節約できる

事業計画書を自力で作ると50〜100時間かかります。経営者の時給を考えると、外注のROIは非常に高いです。特に創業期は、営業・採用・商品づくりなど経営者にしかできない仕事が山積みです。書類作成に使う時間を本業に充てられることこそ、代行の最大の価値と言えます。

メリット3:客観的な視点が入る

自分では気づかない事業計画の弱点や論理破綻を専門家が指摘してくれます。これは融資申請以外の場面でも経営判断に役立ちます。

メリット4:数字の根拠が強くなる

専門家は業界の標準的な原価率・人件費率などのベンチマークを知っているため、説得力のある数字を組み立てられます。

メリット5:申請後のフォローも受けられる

融資面談での質問対応、補助金の事後報告など、申請後のフォローまで含まれるサービスが多いです。

依頼前に知っておきたい3つの注意点

注意点1:完全な「丸投げ」はできない

作成代行といっても、事業の内容・強み・数字の前提を語れるのは経営者本人だけです。ヒアリングへの協力は必須で、最終的な数字の責任も経営者が負います。「全部お任せでOK」をうたう業者ほど、実態と乖離したテンプレート的な計画書になりがちなので注意しましょう。

注意点2:誇大な宣伝文句の業者を避ける

「採択率100%保証」「誰でも通る」といった宣伝は要注意です。採択の可否は最終的に金融機関や審査機関が判断するもので、第三者が保証できるものではありません。実績の開示が具体的か、不採択時の費用条件が契約書に明記されているかを、契約前に確認しましょう。

注意点3:作って終わりにしない

事業計画書は提出したら終わりではなく、融資実行後・補助金採択後も計画と実績の差異を追いかける道具です。月次で計画比を確認する習慣をつけると経営の精度が上がり、次の資金調達の際にも金融機関からの信頼につながります。

代行会社を選ぶ4つのポイント

ポイント1:用途に対する専門性

融資が得意な会社、補助金が得意な会社、VC交渉が得意な会社で強みが分かれます。自分の用途に強い会社を選びましょう。

ポイント2:採択実績の具体性

「○件の採択実績」とだけ書く会社より、具体的な案件規模・業界・採択額を出せる会社を選びましょう。

ポイント3:ヒアリング時間の十分さ

良い事業計画書は経営者へのヒアリング時間に比例します。3〜5時間以上のヒアリングを取ってくれる会社が望ましいです。

ポイント4:継続的な相談ができる体制

事業計画書は1度作って終わりではなく、定期的な見直しが必要です。顧問契約として継続相談できる体制があると安心です。事業環境や資金繰りは年々変わるため、決算や増資などの節目ごとに計画をアップデートできるパートナーがいれば、資金調達のたびにゼロから作り直す必要がなくなります。

まとめ:事業計画書は「経営の地図」

事業計画書は単なる申請書類ではなく、経営の地図そのものです。質の高い事業計画書を作る過程で、経営者自身の頭が整理されるという副次効果も大きいです。

初めての融資申請や補助金申請であれば、専門家のサポートを活用することを強くおすすめします。費用以上のリターンがあるだけでなく、「自分の事業を改めて言語化する」という経営者にとって価値の高いプロセスを経験できます。

なお、創業融資を通過した後の資金繰りや追加の資金調達については、2回目の融資|創業融資後の資金調達戦略で解説しています。あわせてご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

事業計画書の作成代行の費用相場はいくらですか?

用途によって変動します。融資申請用なら10〜30万円、補助金申請用なら15〜50万円、VC・出資交渉用なら30〜80万円が相場です。月額顧問契約に含めるパターンもあります。

事業計画書は自分で書くのと代行に頼むのとどっちがいいですか?

初めての融資申請や重要な資金調達であれば、代行に頼むほうが採択率が高まり、結果的にROIが良いケースが多いです。自分でも書きたい場合は、専門家にレビューだけ頼む選択肢もあります。

代行に頼む場合、ヒアリングはどれくらいの時間が必要ですか?

質の高い事業計画書を作るには、合計3〜5時間程度のヒアリングが必要です。事業内容、市場、競合、数字の根拠など、深掘りした対話が不可欠です。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・労務・法務等に関する専門的助言を行うものではありません。内容は執筆・更新時点の法令・制度に基づいており、その後の改正等により最新の情報と異なる場合があります。個別の事案については、税理士・社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。なお、株式会社ZEETAのバックオフィス代行サービスでは、法令上専門資格が必要な業務は行わず、お客様の顧問税理士等の専門家と連携する形でご支援します。