人材業界のサービス別:営業の特徴

サービス 営業対象 営業の難しさ
人材紹介企業の人事・経営者求人開拓と求職者マッチング
人材派遣企業の人事・現場急な依頼への対応力
RPO(採用代行)企業の人事採用課題の理解
採用支援企業の経営者・人事戦略コンサル力
転職メディア企業の採用担当掲載営業

前提として、人材業界の営業は「求職者を集める活動」と「求人(案件)を開拓する法人営業」の二軸で成り立ちます。本記事で扱うのは主に後者です。厚生労働省「職業紹介事業の事業報告の集計結果」によると、有料職業紹介事業の新規求職申込件数は令和6年度速報で約5,525万件(前年度比43.1%増)と急増しており、紹介会社間の競争は年々激しくなっています。一方で厚生労働省「一般職業紹介状況」では令和7年度平均の有効求人倍率は1.20倍と前年度(1.25倍)を下回っており、「求人が自然に集まる」環境から「求人を取りに行く」環境へのシフトが進んでいます。だからこそ、求人開拓の体制をどう作るかが人材会社の競争力を直接左右します。

人材業界に営業代行が必要な3つの理由

理由1:求人開拓は属人化しやすい

人材紹介・派遣の営業(RA)は、1人の営業マンに依存するケースが多く、退職時に売上が崩れるリスクがあります。代行を併用することで属人化を解消できます。

例えば、月10件の新規求人を1人のトップRAが担っている場合、その退職は毎月10件分の紹介機会の喪失を意味します。後任の採用・育成で穴を埋めるには半年〜1年かかるのが実情です。代行を並走させておけば開拓チャネルが常に複線化された状態を維持でき、退職リスクが売上に直撃しにくくなります。

理由2:新規開拓と既存対応の両立が難しい

RAは、既存顧客対応(成約フォロー、追加求人ヒアリング)に時間を取られ、新規開拓が疎かになりがちです。代行に新規開拓を任せると、社内RAは既存対応に集中できます。

実際にRAの稼働時間を分解すると、既存クライアントの面談調整・合否連絡・条件交渉だけで1日の大半が埋まりがちです。新規のテレアポやフォーム営業は「時間が余ったらやる」タスクに落ち、月の新規接点がゼロという状態が慢性化します。新規開拓の初期接点(アポ獲得まで)を代行に切り出すのは、この構造問題への最も直接的な処方箋です。

理由3:求職者集めと求人開拓のバランス調整

人材紹介は求職者と求人のバランスが常に問題です。求職者は増えたのに求人が足りない時、代行に依頼して急速に求人を増やすことが可能です。

求職者集客は広告費を積めば比較的短期間で増やせる一方、求人開拓は営業リソースに比例するため急には増やせません。代行を使えば「今月から架電量を2倍にする」といったリソースの即時増減が可能になり、需給バランスの崩れを早期に是正できます。

人材業界向け営業代行の料金相場

サービス対象 料金体系 相場
人材紹介の求人開拓月額固定30〜60万円
人材紹介の求人開拓成果報酬(求人獲得)1件 3〜10万円
人材派遣の新規開拓月額固定25〜50万円
採用支援サービスの新規月額固定30〜70万円
転職メディアの掲載営業成果報酬掲載額の10〜20%

上記は求人開拓に特化した場合の目安です。営業代行全般の相場観としては、月額固定型で10〜100万円、アポイント単価は1件3〜5万円、コール単価は1件500〜800円が一般的なレンジで、人材業界向けはターゲットが人事・経営層になるためこのレンジの中でもやや高めに位置します。料金体系ごとの詳しい違いは営業代行の費用相場固定報酬型と成果報酬型の比較で解説しています。

モデルケース:月額40万円で求人開拓を委託した場合の6ヶ月試算

IT職種特化の人材紹介会社が、月額固定40万円で求人開拓代行を6ヶ月間利用した場合の試算例です。

獲得求人数 紹介成約 紹介手数料売上 累計投資
1ヶ月目3件0件0円40万円
2ヶ月目5件0件0円80万円
3ヶ月目7件1件100万円120万円
4ヶ月目8件1件200万円160万円
5ヶ月目8件2件400万円200万円
6ヶ月目8件2件600万円240万円

紹介手数料を1件100万円(理論年収の30〜35%)と置くと、このモデルでは4ヶ月目で累計投資を回収し、6ヶ月で投資240万円に対し累計売上600万円という計算になります。成約率や単価は職種・求職者母集団に大きく依存するためあくまで構造を掴むための試算ですが、「求人獲得→紹介→成約」のタイムラグを織り込んで最低6ヶ月スパンで投資判断することが重要です。

求人開拓の代行会社を選ぶ4つのポイント

ポイント1:求人開拓の経験

「BtoB営業代行」を謳う会社は多いですが、求人開拓の実務経験がある会社は限られます。元RA出身者を抱える代行会社が望ましいです。商談前にトークスクリプトや商談録のサンプル開示を依頼し、ポジション背景・選考フロー・過去の不採用理由まで踏み込んだヒアリングができているかを確認しましょう。

ポイント2:ターゲット業種への精通

人材紹介は業種・職種特化型のケースが多いです。IT、医療、製造、金融など、自社の得意分野に強い代行会社を選びましょう。面談時には「自社の主要ターゲット業種での開拓実績」を件数ベースで質問し、回答が曖昧な会社は避けるのが無難です。

ポイント3:求人内容の整理力

求人開拓では、企業の採用ニーズを正確にヒアリングする力が必要です。「どんな人材を、いつまでに、いくらで」を引き出せるオペレーターが理想です。

ポイント4:求職者側との連携イメージ

代行が取った求人を、社内のキャリアアドバイザー(CA)がスムーズに引き継げる体制が必要です。引き継ぎフローを契約前に擦り合わせましょう。業界を問わない代行会社の見極め方は営業代行会社選びのチェックポイントも参考にしてください。

立ち上げ時の3つのコツ

コツ1:求人票テンプレートの整備

代行が獲得した求人を、社内で扱える形式に整理する求人票テンプレートを準備します。フォーマットが揃うと、求職者マッチングが効率化します。

コツ2:求職者属性の共有

自社で抱える求職者の属性(業種・職種・年齢・年収レンジ等)を代行に共有することで、マッチしやすい求人を優先的に開拓してもらえます。

コツ3:KPIの段階的設定

「求人獲得数」だけでなく、「求人化率(ヒアリング→求人票化)」「マッチング率(求人→紹介)」「成約率(紹介→成約)」までファネル全体で指標を設けることをおすすめします。

目安として、立ち上げからのKPIは次のように段階的に引き上げていくと無理がありません。

期間 主要KPI ねらい
1ヶ月目架電数・接続率行動量の担保と実測値の把握
2〜3ヶ月目求人獲得数・求人化率ヒアリング品質の安定化
4ヶ月目以降マッチング率・成約率ファネル全体での費用対効果評価

指標の絞り込み方や目標値の決め方は営業代行のKPI設計で詳しく解説しています。

失敗パターン3つと対処法

失敗1:業種理解のない代行会社に依頼してしまう

症状:求人は毎月取れているのに、自社の求職者と職種・年収レンジが噛み合わず、紹介できる案件がほとんどない。

対処法:契約前に自社求職者の属性データ(職種・年齢・年収帯)を提示し、「この母集団にマッチする求人を取れるか」を具体的に確認します。1〜2ヶ月のトライアル期間を設け、獲得求人のマッチ率を検証してから本契約に移行するのも有効です。

失敗2:求人ヒアリングが浅く、紹介に繋がらない

症状:求人票が「職種名と年収だけ」の薄い内容で、CAが求職者に魅力を伝えられず、応諾率が上がらない。

対処法:ヒアリング項目(募集背景・組織構成・選考フロー・過去の不採用理由・入社後のミッション)をテンプレート化して代行会社に渡し、記入率を毎月レビューします。項目の埋まらない求人は「追加ヒアリング対象」として差し戻すルールを作りましょう。

失敗3:代行とCAの引き継ぎフローが未整備

症状:代行が獲得した求人が社内で放置され、企業側への初回提案が遅れて他社に決められてしまう。

対処法:「求人獲得から24時間以内にCAへ共有、3営業日以内に初回候補者提案」といったSLAを設定し、共有ツールと担当者を契約時に固定します。最初の3ヶ月は週次で三者定例(代行・RA・CA)を入れることをおすすめします。

まとめ:人材業界こそ営業代行の活用余地が大きい

人材業界は営業(RA)の生産性が事業成長を左右する業界です。属人化解消・新規開拓加速・求職者と求人のバランス調整など、営業代行のメリットが特に大きいといえます。

業種特化型の代行会社を選び、社内CA・RAとの連携体制を整備することで、求人開拓を外部にスケールさせることが可能になります。

この記事の執筆者

坂山 泰治(株式会社ZEETA 代表取締役)。テレアポ・フォーム営業・手紙営業の3チャネルで中小企業・スタートアップの営業代行を支援。人材紹介・人材派遣クライアントの求人開拓支援を含む営業代行の受託運用実績に基づき本記事を執筆。プロフィール詳細はこちら

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よくある質問(FAQ)

人材紹介で営業代行を使うメリットは?

求人開拓(RA)の属人化解消、新規開拓と既存対応の両立、求職者と求人のバランス調整が主なメリットです。社内RAは既存顧客対応に集中でき、新規開拓は代行に任せる分業が可能になります。

求人開拓の代行費用はいくらですか?

月額固定型なら30〜60万円、成果報酬型なら求人獲得1件3〜10万円が相場です。業種特化や決裁者狙いの場合は単価が高めになります。

人材派遣の新規開拓に営業代行は有効ですか?

有効です。月額25〜50万円で派遣導入企業の新規開拓が可能です。急な派遣依頼に応えるための継続的な開拓が、事業成長の鍵となります。

求人開拓の成果が出るまでどのくらいかかりますか?

初回のアポ・求人獲得は開始1〜2ヶ月目から発生しますが、紹介成約による売上まで含めると3〜4ヶ月が目安です。求人獲得から候補者提案・選考・内定までのタイムラグがあるため、最低6ヶ月スパンでの投資判断をおすすめします。